出産覚え書き:育児のスタートが母子同室・母乳推奨で割と良かった、という話(個人例)

出産後の育児スタートのあまりの過酷さに鬱になった話

半月程前か、この記事にブコメ付けたのだけど、
もしかしたら日赤で産む予定の人を怖がらせちゃったかも・・と気になっていたので、今更ながら、病院の名誉挽回(?)の為記事書くことにしました。
ちなみに日赤といっても、私が産んだのは広尾ではなく武蔵野です。
友人からは武蔵野も「スパルタだよー」と聞いていたので
相当不安だったのですが、意外と良かったよ、というお話です。
ちなみに長いです。
まあ誰の目にもとまらないかもしれないけど、念のため。

まずは前提として、当時の状況

  1. 妊娠時35歳で高齢初産のため、総合病院希望
  2. 甲状腺腫持ち
  3. 母乳かミルクかはどっちでもいい。楽なほうがいい
  4. 自然分娩にこだわりなし。できれば無痛がいい・・
  5. 両実家は割と近いけど頼れない(病気&仕事)
  6. 夫も激務社畜系&非イクメンなので頼れない
  7. 産院不毛の地である都下在住

高齢初産なので、NICUがある総合病院で無痛もやっているところを希望するも、該当する病院が近くにない。
でも無痛を諦めきれず、距離は少しあるけど一番通いやすそうな立地の杉並の某院に分娩予約を入れる。
普段の診察は近所の産婦人科で、妊娠後期になったら転院する形。ここの分娩紹介先が武蔵野日赤だった。


その後色々考え直して、家から近いこととNICUの安心感を最優先にすることにし、杉並の某院にはキャンセルの電話を入れて、武蔵野日赤で産むことに決定。
ただどうしても「スパルタ母乳合宿」が怖くて、なんとか回避したく、
事前から「母乳育児にはこだわりはなく、安全の為にここを選んだ」旨アピールする作戦に出た。


まず武蔵野日赤の場合、助産師外来で助産師さんに診てもらう機会が多く、こちらの話も色々聞いてくれます。
(#ちなみに順調な人は、医師の出番は少ないです。3Dエコーとかもなし。
普通の総合病院です。待ち時間長めなので、妊娠初期から通うのは辛いかも。)
バースプランを全員提出するのですが、母乳希望か選ぶ欄もあるので、そこでも意思を伝えることができます。
ちなみに私は「できれば母乳希望」に○をした上で特にこだわりはない、と付け足し、自由記入欄には、「年齢的にも体力が不安なので、産後はまず体力回復を優先したいです」「必要あれば躊躇せず医療介入してください。ただ不安にならないよう、その際は説明をお願いします」というようなことを書いた。


蓋をあけれみれば、陣痛がきてからトータル8時間、病院に入ってからは5時間強で出産。
夫が飲ませてくれたリンゴジュースを分娩台の上で嘔吐したけど。
上手く呼吸できなくて最後の方は酸素マスク当ててもらったけど。
それでも一応、安産、らしい。出血も少なかったとのこと。
ここでわかったことは、出てくる時よりも、子宮口が全開になるまでの「いきみ逃し」がなにより辛いということ。
呼吸法なにげに重要!


産まれたのが夜の2時台で、赤ちゃん検査したり、カンガルーケアしたり、そのまま休んだりで、移動したのが夜明けくらいかな?夫はここで帰宅。
立ち上がれず車椅子で病室に戻り、しばらく寝る。
8時〜9時くらい?に起き上って歩けるかチェックするため、助産師さん付き添いで歩いてトイレに行く。結局まだヘロヘロで再度車椅子を使う。
通常ここから赤ちゃんとの同室がスタートするところ、
「すみません、まだちょっと辛いです・・」と図々しさを発揮して
さらに3時間程寝かせてもらった。


で、昼ごろからお世話の仕方を一通り習ってついに同室開始。
赤ちゃん泣く→授乳室に移動して(※)オムツ替え・授乳→部屋に戻る、の繰り返し。時々検査で赤ちゃんを預ける必要があるので、その際はすかさず寝る。こりゃあかん、余裕がなさすぎる、と思い、両実家に面会は明日以降にしてくれと電話でお願いした。
※いちいち授乳室に行かないでもいいんだけど、助産師さんがいるほうが安心なので、私はほぼ毎回行っていた。結局一日中授乳室にいた気がする。


もちろん最初は母乳はでなかったけれど、頻回授乳することで刺激され出るようになる、ということで出なくとも泣くたびに乳を含ませる。3時間に1回は授乳、と言われていたが、ひどいときは1時間おきとかだったような・・・。
さすがに2日目の夜あたりで辛くなり、預かってもらい寝た。その間はもちろんミルクを飲ませてくれます。


こんな感じで数日過ごし、ありがたいことに、退院するころには母乳の分泌量も増加。その後は完母でいけたので楽だった。
(#もちろん母乳の分泌は個人差あるのは承知で、私は順調なほうだったと思う。ただ病院での最初のサポートがあってこそだったのは確か)
なによりずっと母子ベッタリだったことで、ふにゃふにゃの赤ちゃんと一緒にいることに慣れて、帰宅してからも「病院にいるときみたいに世話していれば大丈夫」と思えたのが大きかった。
わからないことはどんな些細なことでも助産師さんに聞きまくれたのもよかった。たぶんベッタリじゃなかったら「わからないこと」がわからず、家に帰ってから途方に暮れたかも。


思うに、母子同室は、これから始まる母子密着DAYSのOJTみたいなもので、私のように帰宅後あまり周りを頼りにできない人にとっては本当にありがたい仕組みだった。
退院後に実家や夫のサポートがしっかり受けられる人であれば、そこで徐々に慣れればいい訳で、入院中はゆっくりできる環境を選ばれるのもよいのではないでしょうか。


で、母乳合宿で辛い、という評判はなんだったのか、という話ですが。
確かに、母乳信仰が強いタイプのお母さんたちが夜な夜な授乳室に集まって頑張る・・・みたいな部分はあるので、そのお母さん集団の空気にのまれてしまうと辛くなるんじゃなかろうか。
でもよく周りを見回してみれば、大病院だけに色々な事情の人がいるわけで。
病院自体は、母乳にこだわる人には徹底的にサポートしてくれるし、そうでない人にもできるだけ母乳がでるよう指導してくれるけど、こちらの事情や希望には快く対応してくれる、きちんとした病院でしたよ!


というわけで、当初こだわりはなかったけれど(というかむしろ怖かったけれど)、結構自分には選択肢として良かったです。
完全なる個人例ですが、これから出産の方のご参考になれば幸いです。